あま市空き家管理における定期点検・清掃・換気の進め方

空き家は、人が住まなくなった途端に急速に劣化が進みます。特に湿気やカビ、雨漏り、害虫の発生は短期間でも建物の寿命を大きく縮める要因となります。

そのため、あま市で空き家を所有している場合は、定期的な点検・清掃・換気を行い、建物の健康状態を維持することが極めて重要です。

これらの管理を怠ると、結果的に修繕コストや解体費用が増加するだけでなく、「特定空家等」として行政から指導を受ける可能性もあります。

点検は、最低でも年4回（季節ごと）行うのが理想です。特に台風・大雨・大雪などの後は、屋根や外壁の損傷、排水設備の詰まりなどを早めに確認することが大切です。

以下の項目は、点検時に必ずチェックしておきたい重要ポイントです。

屋根・外壁：ひび割れ、瓦のずれ、塗装の剥がれなどを確認。

雨樋・排水溝：枯れ葉や泥の詰まりを清掃し、雨水がスムーズに流れるか確認。

基礎・床下：ひび割れやシロアリ被害、湿気によるカビ臭がないか点検。

室内設備：電気・ガス・水道の動作確認と、漏水や錆の発生チェック。

防犯対策：玄関・窓の施錠、ポストの整理、侵入跡の有無を確認。

建物の内部だけでなく、外部の環境整備も重要です。敷地内の雑草や枯れ枝を放置すると、害虫の発生源や放火リスクとなる場合があります。

定期的に除草・剪定を行うことで、美観を保つだけでなく、近隣住民からの苦情やトラブルを防ぐことにもつながります。

屋内では、ホコリや湿気を溜めないよう掃除機掛けや床の拭き掃除を行い、長期放置によるカビやシロアリ被害を未然に防ぎましょう。

空き家管理において、最も見落とされがちなポイントが「換気」です。
空気が滞留すると湿度が上がり、結露やカビが発生しやすくなります。

月1〜2回は全ての窓やドアを開けて、30分程度の換気を行いましょう。

特に浴室・トイレ・押入れ・床下収納など、湿気のこもりやすい場所は重点的に空気を入れ替えることが大切です。

遠方に住んでいる場合や多忙で自分で点検ができない場合は、専門の空き家管理業者への委託が現実的な選択肢です。

あま市内には、月1回〜2回の巡回を行い、写真付き報告書を提出してくれる業者もあります。

費用は月額3,000円〜10,000円程度が相場で、サービス内容には「郵便物の整理」「通風・換気」「庭木の手入れ」「防犯確認」などが含まれます。

空き家の管理履歴を残しておくことは、万が一行政から指導や確認を受けた際の重要な証拠となります。

日付・内容・写真を記録した「管理ノート」やデジタル記録を作成しておくと安心です。

特に、所有者変更や相続発生時に管理実績を提示できると、資産評価や補助制度の申請がスムーズに進みます。

このように、定期点検・清掃・換気を計画的に行うことは、建物の寿命を延ばすだけでなく、資産価値と地域の安全を守るための基本です。