【稲沢市】 空き家が増える原因と今後の課題

稲沢市で空き家が増加している背景には、いくつかの要因が複雑に絡み合っています。

まず、大きな要因の一つに「人口減少と高齢化」があります。

近年、稲沢市を含む多くの地方都市では若年層の都市部への流出が続いており、それに伴って地元に残された家が空き家になるケースが増えています。

特に親が亡くなった後、子どもがその家に戻らず放置される事例は少なくありません。
 
また、不動産としての価値が低くなっていることも、空き家の増加に拍車をかけています。

古い住宅の場合、修繕や維持にかかる費用が高く、売却しても利益が出にくいため、そのまま放置されてしまうのです。

こうした物件は築年数が古いだけでなく、耐震性や断熱性が不足していることも多く、住み替えの対象としても敬遠されがちです。
 
一方で、所有者の意識の問題も無視できません。

空き家になっているにもかかわらず、「いつか使うかもしれない」「親の思い出が詰まっているから処分できない」といった心理的なハードルが原因で、手放せないケースもあります。

法的な手続きや相続の問題が複雑で、なかなか前に進めないという声もあります。
 
このように考えると、空き家が増えるのは単に家が使われていないからではなく、地域の人口動態、経済的負担、心理的な問題、制度上の複雑さなどが重なった結果と言えます。

稲沢市においても、これらの事情を包括的に理解した上での対応が求められています。